幻夜
地面から生えたその手は
月明かりに照らされ
骨のように白い
やがて そこに銀色の蝶が羽を休めると
辺りは群青の闇に包まれ
梟さえも標的を見失う
でも
助かったその命さえ
何も意味はないのかもしれない