非現実的な5つの風景

懐かしい音楽
遠く聞こえる笑い声
信号待ち
動かない時計
地図にない道

雨の時に10のお題

水溜りの道
降り注ぐ空の涙
声も聞こえない豪雨の中で
寒さに身を寄せて
束の間の雨宿り
相合傘
恵みの雫
朝露が輝いた
狐の嫁入り
その後の虹

空を想う10題

彼方まで広がるその青色は
雲間から射す陽光のような
楽園を目指す飛行機雲
音もなく降る優しい雨
世界を染める純白に告ぐ
茜色沈む頃、浮かび上がる月の舟
夜空に淡く浮かぶ星の色
例えば、この背に翼があったなら
いつか、虹の彼方へ旅立つ時に
見上げれば、其処にはいつだって

淡々五十題-風が散らばった-

僕を動かせるもの
虹色の眸
終わりの夜明け
立入禁止テープ切断
頬擦りしたくなるような
今も欠片を探してる
空を喰う雲
恋の名を騙った執着心
青と白しかない
近くの体温
絶対、を飛び越えた
幸せを願えるシアワセ
錠前に斧
夜更かしの理由は君にある
最初から数え直し
衝動的抱擁
常に本音のぶつけ合い
次会うときが最後だね
微睡に溶ける子守唄
二度は言わない
裏切り者の王子様
答える代わりに、笑って
不器用な人間の精一杯
冬の朝の寝室
裸足で進む、ゆっくり
燦々たる月
幾つ目の嘘ですか
仕舞い損ねた鋭さ
ひとくちあげる
桜の花びらのシャワー
苦悩する能力
五分間よく考えたんだけど
褪せることのない、
塗り固めた偽善
川のせせらぎ、風の囁き
約束の行方
ちょうちょ結びの赤い糸
膝を抱えて部屋の隅
あなたはやさしい
陽射しの微笑み
憧れて尊敬して崇拝して
正反対が同席
彼は其れを愛だと云う
君に、預ける
直球勝負が恐いだなんて
細い手首にあかい痕
昔日の悲劇
誰に尋ねておいでですか
限りなく人に似ている
全てが始まった日の話
inserted by FC2 system